大阪万博

来年に迫った大阪万博だが、テレビではしきりにPRを行っているものの、現状は問題だらけのようだ。今年の3月末には、地下に溜まったメタンガスに工事中の火花が引火して爆発事故を起こしているが、そもそもこの夢洲(ゆめしま)というのは、巨大なゴミ捨て場なのである。もともと一般廃棄物や上下水道汚泥などの廃棄物の最終処分場として1985年から埋め立てが始まった場所であり、埋められたゴミには多くの有機物が含まれ、メタンガスが発生する。ほぼ毎日、警報が出るレベルのメタンガスが検出されており、爆発の危険があるために、万博に入る飲食店は、火気不使用とされている。また、少し前までは、冷蔵庫やエアコンや産廃などがそのまま捨てられており、地盤の緩い埋立地のために、常に地盤沈下を起こしている。夢洲の道路を見ればわかるが、あちこちで陥没やたわみが生じており、素人が見ても危険だとわかるほどである。さらに、海抜も低く、台風などで高潮が起これば、あっという間に水没してしまう可能性も高い。そのような危険な場所で、万博が行われようとしている。

そもそも、人命が最優先なのは当然であり、万博を安全に行うのであれば、1970年に開催した万博会場を利用すればよいと誰でも思うだろう。それを、なぜこのような危険な場所に大金を注ぎ込み、無理やり万博を開催しようとするのかといえば、その後に控えているIR(カジノ)をそこで行うためである。現在の夢洲は交通の便も悪く電車も通っていないが、IRのカジノ事業を行うために電車を引こうとすれば、お金もかかるし、反対するものも大勢出る。しかし、経済効果などを謳い、万博のため日本のためといえば、堂々と公金をじゃぶじゃぶ注ぎ込む事ができる。つまり、目的は万博ではなくカジノであり、そのためのインフラ整備が、大量の税金を使って万博の名の下に行われているのである。

だが、そのような悪だくみもどんどんバレてきており、テレビが取り上げるほど盛り上がってはいない。8割の国民は万博に対して否定的で無関心と言われており、むしろ「中止すべき」という声が大きい。その証拠に、現在までに前売り券は、目標の5%ほどしか達していない。そのため、無料で大阪の小学生を招待しようとしたが、安全性の面からも、多くの小学校が拒否の姿勢を示している。爆発や水没の危険のあるところに、お金を払ってわざわざ行く人はいないだろうし、そこに子供を招待する神経も理解できない。そもそも、日除け目的で350億円もの木造のリングを作り、万博が終われば壊すと言っているような無駄遣いをする万博に、もはや賛成するものなど誰もいないだろう。吉村知事や万博を推進するものたちは、経済の起爆剤になると豪語しているが、言い出しっぺの橋下徹や、経済効果は6兆円といった松井一郎はすでに逃げている。地盤沈下対策など、建設費は膨らむ一方であり、そのしわ寄せは、国民が負わされる。少なくとも、国民のための万博でないことは確かである。すなわち、「今だけ・カネだけ・自分だけ」という利権を貪るものたちの集大成が、大阪万博ということになる。

 

 

 

新大阪駅構内の万博ショップ

お問い合わせフォームはこちらお問い合わせフォームはこちら
error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました