パンとサーカス

古代ローマ帝国において、皇帝が市民に対して、パンとサーカスを提供した。これは一見、市民のためにように思えるが、本音は、食べ物と娯楽を与えることにより、誰も皇帝に対して文句を言わさせないようにし、支配しやすくするためのものである。これはまさに、現代でも行われている手法であり、時代を超えて人間社会の本質を映し出している。

統治し支配するものにとって、数で勝る一般市民をコントロールするのは、非常に重要な問題である。古代ローマにおいて皇帝は、人々が不満や疑問を持ち始めたり、政策に反発し始めた時に、人々をサーカスへと向かわせた。このサーカスとは、現代に置き換えれば娯楽であり、日本人にとってはGHQによる3S政策がわかりやすいだろう。コロシアムのような巨大な競技場を建設し、そこで剣闘士たちの試合に人々を熱狂させることで、重要な問題を考えないように仕向けてきた。娯楽により、ガス抜きと真実を学ぶ時間を奪い、自分たちがどのようにして操られているのかを理解できなくなるほど愚かにし、政治に疑問を抱かなくなるように仕向けてきたのである。

現代は、さまざまな娯楽で溢れている。特にスポーツやSNSがこれにあたる。今日からサッカーのワールドカップが開催されたが、4年に一度の大会といいながら、他にも夏季と冬季のオリンピックがあり、ラグビーのワールドカップもある。このように毎年、何かしらの世界大会が行われ、テレビやラジオでは、その話で持ちきりとなっている。全ては意図的に作られており、自分たちにとって重要な政治や生活の話から、目を逸らされているのである。実際に日本でも、政治や、最近の移民や外国人に対する不満が蓄積しているが、一旦ワールドカップが始まれば、そのこともあまり考えなくなる。このように、不満のエネルギーをうまくそこで発散させられている。だからこそ、サーカスにあたるプロの選手には破格の年俸が支払われているのである。

イランやウクライナでは、現在も戦争が行われており、我々の生活をかなり苦しめる要因になっている。真剣に考えなければいけない問題を無視し、お祭り騒ぎをしている場合ではない。大衆として管理される側に行くのか、それとも自分の頭で考え、目前に迫っている問題解決のために奔走するのかは、自分次第である。いずれにせよ、平和な時間は刻々と過ぎている。

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